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『鉄腕アトム』と映画化 [映画]

今回は、アトムを肴に「映画化」について。(相変わらず遅い話題だけど許そうな)

まだ見てない映画ですが、絶対観に行かないと言える
映画『鉄腕アトム('09ハリウッドCG版)

この話題は、キャラクターデザインの一点に尽きる

実は数ヶ月前NHKの番組で“世界に進出する日本のマンガアニメ”などと言うテーマで、
この映画の制作風景も紹介してました。

番組では、監督以下アメリカ側の制作陣と、版権を管理している手塚プロとのやり取りが、
ちょっと興味深かったんです。
手塚治虫の代表作「アトム」を、アメリカ受けするキャラクターデザインに
勝手に変えて完成してしまおうとしている制作陣と、
なんとか手塚キャラの基本ラインを守ろうとクレーム付ける手塚プロ。
米側は、アクション映画を見に来る観客層の趣味に合わせて、
原作から大きく変えて「アニキ、お兄さん」キャラのデザインにして動画作ってて、
ビックリした日本側が何とか修正してもらおうとしてのやりとりを紹介してました。
「原作は子供っぽすぎ」「アメリカの客の好みに合わない」とか主張する米側、
「これではアトムじゃない」と、食い下がる日本側。
番組では制作陣がキャラデザインを原作にもっと近づいた物に直して、
ホッとした所で終わったんですが・・・

     アトム02.jpg:原作イラスト

で、完成版では、どうだったのか?

「エッ!!また押し戻されて土俵外に叩き落とされてるヨ!!」

     アトム00j.jpg:バーーン!もう皆さんもCM見ましたね

また少し等身伸びて戻って(原作もイラストによって等身伸びてたときもあったが)、
顔はまたお兄さん的になってるし(眉毛ぶっとく眉山クッキリしすぎ)、
CG化に苦労したんだろう髪型(そりゃ大変だったろう)が頭顔とのバランスも悪すぎ、
目はアトムにしては小さすぎ、他のキャラとのバランスだというならそっちを直せよ!
カッコは原作“ベルト付海パン”的だったのから(上の絵分り辛いが)半ズボンに。

と、思ったら―― 


ハリウッド版では格好が差し替えられて「長袖長ズボン姿」がほとんどで、
ぜんぜんロボットじゃない。普通の子?ASTROBOYでもないじゃないか!
裸っぽいからイカンのか?ならターザンに服着せるのかッ?!

    astroboy00.jpg
どこがアトムなんだ?オマエ!そんなに原作のキャラが問題あるなら、見んな!作んな!
とにかく手塚キャラの持ち味の「動きや身体の‘丸っぽさ’」がない。
せめてものそれも無ーい。

「おまえは私が望んだ息子ではない!」(天馬博士)っていうのは、
天国のテヅカヴォイスだっつーの!

だいたいだなー、
原作キャラを「アメリカじゃ受けないキャラデザだ。」とか言う事自体大嘘だ!

原作アトムは、ディズニー教信者の手塚が、その絶対的な影響下で産み出した顔や体型だ。
あれが受けないって?ミッキーディズニー版ピノキオとかを、どう説明するんだよ。
ASTROBOYだってウケてたろーが。
そんな言い訳して改変したいのは単純に監督やデザイナーの趣味だろッ。
あと途中で作り直したくない頭空っぽプロデューサーの意向だな。
とにかく原作への(リスペクト)が全く感じられないのは最悪だ。
単に「ネタ」としてしか見ていないでしょ。あんたら。
(ウォシャウスキー兄弟の『スピードレーサー』は賛否両論だが、原作愛は感じられた。)

番組じゃ日本側は「原作の個性、良さを分ってもらって・・」とか言ってたようだけど、
もっと強く出ればいいじゃない。版権持ってるんだから
(クレーム制限のある契約にサインさせられたかい?それもダメだよ搾取されてるよ)
―ていうか、版権売りっぱなしで、初期段階からキチンとチェックしてなかったんだろ?
そういう怠慢のせいで、日本が誇る漫画アニメ文化がまた踏みにじられちゃったよ。
『ドラゴンボール』に引き続き・・(鳥山明のコウイウノモアリカのコメントに失笑)


まあ国内制作でも陵辱的な映画化、リメイクは連発してますがッ、
宮崎jrのアニメ版『ゲド戦記』は言うに及ばず。
『日本沈没』とか『隠し砦の三悪人』とか(どっちも樋口か)、
『ICHI』(たけし版も酷かった)とか『どろろ』とか、
オイラの好きだった物が片っ端からクソまみれにされてるよ。
(『カムイ外伝』はどうだったのか?不安だ)

次は、キムタク版『宇宙戦艦ヤマト』 か・・・
・・これはなにかの拷問なんすか?!

ひ、ヒネッテユート・・・

〈追記〉
上記の今回USA版の“厚着アトム”は、
USAアップルのムービートレーラーのサイトからじくっり観れますよ。(下記 ↓ )
日本版と予告が違って、「服着てますよー」というトレーラーで、
その着衣をあまり見せようとしないのが日本版予告という印象(こっちはオフィシャルサイトで)。
初めは本編のバージョンが違うのかと思ったが、予告の作り方だけが違ってるようで。

それにしてもそこまでするとはねー。
別にちゃんと履いているんだから・・。メリケン人はエロを感じすぎッ。
これがダメじゃ、海水浴のビーチに行けないじゃないか。

そして、もうひとつ言い忘れた重要な点は――、
アトムに着物を着せないのは“ロボットだから(基本衣類は付けない)である。
裏テーマの「ロボット差別」を描くことでのあらゆる「差別」「蔑視」への問題提議が、
手塚治虫にはあったのだ。それには半裸のキャライメージがないと始まらない。
こういうのはメリケン人にわからないはずはないと思うが・・・
(さすがにウランちゃんには着せたが、人間型ロボットは脱ぐ事で正体を現した。)
この点でも手塚プロはちゃんと主張して欲しかったな。

ムービートレーラー
http://www.apple.com/trailers/

それじゃ、また。


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