『借りぐらしのアリエッティ』評:番外編その2 [映画]
『借りぐらしのアリエッティ』評
〔第4回:番外編その2〕
『借りぐらしのアリエッティ』
前回まで述べた問題の回答考察というか推理――
(どっちと言えば好意的な)
《疑問点から推理した制作実態》
ところで、今回の『アリエッティ』制作ドキュメント番組中で、
スケジュールが致命的に遅れ、公開に間に合わなそうになっていた。のが、
その解決策も提示されずに、なんとか公開に間に合った、
とだけアナウンスが入っていた。
あれ?どうやって?「休み返上で頑張った」「助っ人&外注作画を大量に頼んだ」
とかは、だいたい普通にやることで、そういういつもの解決法の段階を
大きく越えてたから鈴木プロデューサーも青くなってたはずで・・・
「もうね、こうなると力を入れて作るとこと、抜いて作るところを分けて・・」
って、米林監督にお達ししてたではないか。鈴木P。
しかし、ジブリの映画では省力化に寄与するような極端な手抜きシーンは許されない。
・・すると、これどうやら、制作予定の絵コンテのシーンを所々シーン丸ごと
かなり大幅に削除した可能性があるな、と推測できます。
そうだとすると、前回までに述べた“納得のいかない唐突な展開”になったのも
当然だし、シーンが上手くつながらず、カット飛びが起きて慌てたとかの
制作風景も、むべなるかなです。
「やっとまともな演出家が出て来た。」という宮崎駿の米林監督への賛辞は、
厳しいスケジュールの中、大胆に刈り込んだコンテをなんとかまとめて、
無理っぽい公開スケジュールによく間に合わせた、プロとしてよくやった。という、
意味も含んでいたのではないか?と。そういう意味の“演出家”と感じられます。
この推測は、この作品のギクシャクしている問題点の疑問に対する解答として
かなり有力じゃないかと思えます。
・・なら、ちゃんとした“完成版”が観たいヨ。
―でも後からディレクターズカット版は出さないジブリですから。
そう、絵コンテ本は恒例ですから発売するでしょうが、
映画に使用した部分だけを抜き出し逆編集した完成後編集版でしょうね。
宮崎駿が米林演出にリリースした絵コンテのバージョンの映画を観てみたいなあ、
と思います。いやー、どんな幻のシーンがあったのかと、いろいろ夢想してしまう。
(まあ勝手な推理の話ですが。一方的な思い込みとも言う。)
長々書きました。ひとまず『アリエッティ』評はここまでです。
〔おまけ〕
今回明らかになった、衝撃の事実!
①古い民家の床下壁中天井裏などに、人から隠れて繁殖。
②発見されると、どこかへ引越しして居なくなってしまう。
これらのことから・・・
「トトロ」の“マックロクロスケ”と
「アリエッティ」の小人族は同じだった!
「出て来ないと目玉をほじくるぞ♪」って言われりゃ、
人間の子供を怖がるのも仕方ないよね!
とかっ。
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